
京ことば豆知識
はんなり
■はんなり
アクセント=「は」もしくは「は」にアクセントを置く発音があります。
「はんなり」とは、「陽気で上品な明るさ」「すかっとしたさま」という意味です。
この言葉の語源は 「花なり」の略ということであり、文法的には、花(華)に状態を表した接尾語「り」が付いて、撥音化し強められた語(京ことば辞典引用)となっています。
現在、京都においての一般的な使われ方としては、「上品で明るいさま」「落ち着いたはなやかさを持つさま」等、主に色彩に用いられる場合がほとんどですが、趣きや眺めに使う場合もあります。
しかし、春の桜を見て「はんなり」と言う事はあっても、秋の紅葉に使われる事はあまりありません。 派手な色使いやポップな蛍光色に対しては使用されないのです。また「はんなり」としたさまを感じさせる条件として、ある種独特の「上品さ」も不可欠のように思えます。
ではその「上品さ」とは一体何でしょうか? そこを追求して行くと、そこには古都の 歴史に育まれた繊細な感性がおりなす「風情」が見えてきます。また四季を通して随所にあらわれる「京都らしい華やかさ」が、介在しているのかもしれません。
「京都に華あり」「はんなりと京都」…ぜひともこの趣きあるニュアンスを、京の都で探してみてください。